薬剤師の転職サイト18社の公開求人数は4,890件〜118,695件。時点を書いているのは7社だけ

薬剤師の転職・派遣サービス18社の公式サイトを、2026年8月19日に1社ずつ読みました。 書いてあることだけを記録し、書いていないことは「明示なし」と残しています。

その作業で分かったのは、18社を同じ物差しで比べられる項目がほとんどないということでした。 求人数は数え方も出典も社ごとに違い、いつ時点の数字かすら半分の会社が書いていません。

この記事は「どこがおすすめか」を書きません。 18社の公式表記を並べたときに何が揃っていないかを、数えた結果のまま書きます。 各社の記録はサービス台帳18社にあります。

「薬剤師の転職サイト」には3つの違う仕組みが混ざっている

18社は同じ「転職サイト」という言葉で呼ばれますが、法律上の立場は3種類に分かれます。

仕組み 何をする会社か 18社中
有料職業紹介 求人を紹介し、採用が決まったら採用側から手数料を受け取る 15社
労働者派遣 自社が雇用主になり、薬局・病院へ派遣する 10社
求人広告 掲載枠を提供するだけで、紹介も派遣もしない 1社

数え方は、各社の公式サイトに厚生労働大臣許可の番号が載っているかです。 有料職業紹介の番号(◯◯-ユ-◯◯◯◯◯◯)は15社、労働者派遣の番号(派◯◯-◯◯◯◯◯◯)は10社にありました。 両方を載せているのは10社で、紹介の番号だけを載せているのが5社です (マイナビ薬剤師・ジョブメドレーエージェント 薬剤師・ファーマキャリア・セルワーク 薬剤師求人・ヤクマッチ薬剤師)。

ファーマシスタ求人は「採用担当者がつくる薬剤師求人広告サイト」と自ら書いており、 紹介も派遣もしていないので許可番号がないのは当然です。 ジョブメドレー(薬剤師)も「エージェントを介さない直接応募型の求人サイト」と明記しています。

同じ「求人数」でも、紹介会社の数字と求人広告サイトの数字は意味が違います。 前者は担当者が間に入って紹介する母数、後者は掲載されている枠の数です。

公開求人数の総数を出しているのは13社。最小4,890件から最大118,695件まで24倍

18社の公開求人数の記載を数えると、こう分かれました。

社数 会社
総数を数字で出している 13社
業種別の内訳だけで総数がない 1社 ジョブメドレーエージェント 薬剤師
件数の表示が見当たらない 4社 ファル・メイト/MC-ファーマネット/ファーマプレミアム/ファーマシスタ求人

13+1+4で18社です。総数を出している13社を、2026年8月19日時点の公式表記のまま並べます (小さい順に並べただけで、順位ではありません)。

サービス 公式表記の公開求人数
ファーマリード 4,890件
キャディカル 薬剤師.転職 7,758件
お仕事ラボ 12,452件
アプロ・ドットコム 21,910件
ジョブメドレー(薬剤師) 34,994件
ファーマキャリア 36,310件以上
ファルマスタッフ 52,107件
ヤクジョブ 52,206件
アポプラス薬剤師 54,435件
マイナビ薬剤師 57,359件
ヤクマッチ薬剤師 58,238件
セルワーク 薬剤師求人 86,401件(見出しは「10万件以上」)
薬キャリ 118,695件

最大の118,695件は、最小の4,890件の24.3倍です。13社の中央値は52,107件でした。

この24倍を「求人の多さの差」と読むことはできません。 各社とも、1事業所を1件と数えるのか、募集枠ごとに1件と数えるのか、 複数拠点の同一求人を重複して数えるのかを公開していないからです。 数え方が違う数字を並べて順位を付けても意味がないので、この台帳ではランキングを作りません

その求人数がいつ時点かを書いているのは、13社中7社

求人数は日々動きます。だから数字そのものより、いつ時点の数字かのほうが読者には重要です。 公式サイトの表示に、更新日や時点表示が付いているかを数えました。

時点表示 社数 表示のされ方
日付まである 5社 お仕事ラボ「8月18日更新」/薬キャリ「8月19日(水)更新」/ファーマキャリア「08/19更新」/セルワーク「2026年08月19日更新」/ヤクマッチ薬剤師「更新日 2026年08月07日」
月までしかない 2社 ファルマスタッフ「【2026年08月更新】」/マイナビ薬剤師「【2026年8月更新】」
時点の表示なし 6社 ヤクジョブ/ファーマリード/アポプラス薬剤師/アプロ・ドットコム/ジョブメドレー/キャディカル

総数を出している13社のうち、時点表示があるのは7社。過半数を割ります。 (総数を出していないジョブメドレーエージェント 薬剤師にも時点表示はありません。)

アポプラス薬剤師は「毎日更新 本日の求人件数 54,435件」と書いており、 更新頻度は分かりますが、その「本日」がいつかは表示されません。 ページを保存したり印刷したり、第三者の記事に引用されたりすると、いつの数字か分からなくなります。

ヤクマッチ薬剤師は「※更新日 2026年08月07日」と正直に出していて、 これは確認日の2026年8月19日より12日前です。 日付を書いている会社ほど数字が古く見えるという逆転が起きます。 それでも、時点が分かる数字のほうが読者にとって扱いやすいと考え、台帳では日付の有無をそのまま記録しました。

なお当サイトは全18社に「2026-08-19確認」を明記しています。 公式が日付を書いていない場合は、台帳のほうに「何月何日時点かの表示はなし」と書きました。 求人数を出している会社は公開求人数を出しているサービスの一覧にまとめてあります。

同じサイトの同じ日に3つの数字が出ていた(薬キャリ 118,695 / 118,698 / 118,697)

薬キャリは、求人数を総数だけでなく雇用形態別・施設形態別にも表示しています。 同じ日(2026年8月19日)に取得した3か所の表示を、足し算で突き合わせた結果です。

表示 内訳 合計
トップの求人数 118,695件
雇用形態別 正社員88,941/契約社員207/派遣3,344/パート・アルバイト26,206 118,698件
施設形態別 調剤薬局93,709/病院6,751/ドラッグストア(調剤併設)15,836/ドラッグストア(OTCのみ)1,698/企業582/その他121 118,697件

3件と2件のズレがあります。 トップの118,695件が最も小さく、内訳の合計はどちらもそれより大きくなりました。

これは薬キャリを責める話ではありません。 検索インデックスの更新タイミングが表示箇所ごとに違えば、数件のズレは普通に起きます。 言いたいのは逆で、求人数はこの程度には動いている数字だということです。 1社の118,695件と別の1社の86,401件を並べて「3万件多い」と読むことに、あまり意味がありません。

同じ足し算をジョブメドレーエージェント 薬剤師にも当てました。 この会社は総数を表示せず、業種別の内訳だけを出しています。 調剤薬局15,265/ドラッグストア(調剤併設)9,288/ドラッグストア(OTCのみ)921/病院561/企業193/漢方薬局25/クリニック8。 足すと26,261件です。この合計は公式サイトに出ていないので、台帳には内訳のまま記録しました。

サイト内で数字が食い違っている会社が5社ある

18社を読んでいて、同じ会社の公式サイトの中で数字や区分が合っていない箇所が5社で見つかりました。 どちらも公式の表記なので、片方を採らずに両方を記録しています。

会社 一方の表記 もう一方の表記
マイナビ薬剤師 トップ「公開中の薬剤師求人数 57,359件」 サービス紹介ページ「求人総数は約63,000件(2021年5月)」
セルワーク 薬剤師求人 見出し「薬剤師求人10万件以上 検索結果「86,401件」(2026年08月19日更新)
ファーマプレミアム 「単発派遣の最高時給 3,300円/h 時給3,500円以上の単発派遣 32件」
お仕事ラボ 求人検索の勤務形態は「正社員/パート/派遣」の3つ 紹介文は「正社員・契約社員・パートタイマー・派遣社員」の4つ
アポプラス薬剤師 トップ「本日の求人件数 54,435件」 検索ボタン「検索する1,029件」(既定の絞り込み結果で母数が違う)

いちばん重いのはマイナビ薬剤師の「約63,000件(2021年5月)」です。 確認日の2026年8月19日から見て5年3か月前の数字が、同じサイトの別ページに残っています。 トップの57,359件と6,000件近く違うので、どちらを引用するかで印象が変わります。

第三者の比較記事が「マイナビ薬剤師は約63,000件」と書いていたら、 それは古いほうのページを引いた可能性があります。 数字を見たら、その数字が公式サイトのどのページに、いつ時点として載っていたかまで確かめる必要があります。

「全国対応」と書く会社は11社、拠点の数を書いているのは6社(5か所〜28か所)

対応エリアも揃いません。「全国」という語を使っているのは11社でした。 一方、拠点の数を具体的に書いているのは6社だけです。

会社 公式が書いている拠点数
MC-ファーマネット 営業拠点28か所
マイナビ薬剤師 全国14拠点(面談会場14か所)
ファル・メイト 大阪本社+12拠点の計13か所
ファルマスタッフ 全国12拠点
アポプラス薬剤師 登録オフィス11か所
ヤクジョブ 全国5拠点

5か所から28か所まで、5.6倍の開きがあります。 残りの12社の内訳はこうです。

5+3+1+3で12社です。

拠点が少ないことは欠点ではありません。お仕事ラボは 「全国対応しており、電話やオンラインで面談が可能です」と、面談方法とセットで全国対応と書いています。 拠点数ではなく面談の形で説明しているわけで、これは読者にとって十分な情報です。

問題は、拠点も面談方法も書かずに「全国」とだけ書いてある場合です。 その場合、公式サイトからは対面で会えるかどうかが読み取れません。 台帳には全国対応の一覧がありますが、 これは「全国と明記しているか」で機械的に分けたもので、対面できることの保証ではありません。

47都道府県から検索できても、その県に拠点があるとは限らない

求人検索で47都道府県を選べる会社は12社ありました。 上の拠点数と重ねると、たとえばファーマキャリアは 47都道府県から検索できますが、掲載されている拠点は東京本社と千葉県富津市のワーケーション施設だけです。 キャディカル 薬剤師.転職も47都道府県で検索でき、拠点は東京と大阪の2か所です。

「検索できる都道府県の数」と「拠点がある場所」は別の話です。 オンライン面談が普通になった今、拠点がないこと自体は問題になりにくいのですが、 「全国47都道府県対応」という表現だけを見て地元に担当者がいると思うと、期待がずれます。

逆に、47都道府県が揃っていない会社もあります。 ファーマプレミアムの求人検索は43都道府県で、 新潟県・鳥取県・高知県・佐賀県の選択肢がありません。 同社は「特に東京・埼玉・神奈川・千葉エリアの求人情報が充実しております」と自ら書いており、 エリアの偏りを隠していません。表記としてはこちらのほうが正確です。

運営会社の情報は、社名17社・所在地15社・設立年15社・資本金11社

紹介や派遣を頼む相手なので、運営会社そのものの情報も数えました。

項目 公式サイトに記載あり 書いていなかった会社
運営会社名 17/18社 セルワーク 薬剤師求人
本社所在地 15/18社 薬キャリ/セルワーク/ジョブメドレー
設立年または創業年 15/18社 お仕事ラボ/セルワーク/ジョブメドレー
資本金 11/18社 お仕事ラボ/アプロ・ドットコム/ファーマプレミアム/セルワーク/ヤクマッチ/ジョブメドレー/ファーマシスタ

セルワーク 薬剤師求人は4項目すべてが「明示なし」でした。 サイトに「運営会社」というリンクはあるのに、遷移先のページに会社情報が載っていません。 ドメイン(selva-i.co.jp)と許可番号の頭(27-ユ-=大阪府)から推測はできますが、 推測を台帳の値にはしません。「明示なし」と書いてあります。

薬キャリも会社概要ページに所在地・電話番号の記載がありませんでした。 これは「こちらが取得できなかった」ではなく「書いていない」です。 台帳ではこの2つを分けて記録しています。 ジョブメドレー(薬剤師)の所在地は、 会社概要ページ(medley.jp/company/outline.html)が404で取得できなかったほうです。

運営会社の設立年は1973年から2026年まで53年の開きがある

設立年または創業年を書いていた15社を、古い順に並べます(順位ではありません)。

設立・創業年 運営会社 サービス
1973年 株式会社マイナビ マイナビ薬剤師
1996年 クラシス株式会社 ヤクジョブ
1998年 株式会社アプロ・ドットコム アプロ・ドットコム
2000年2月 株式会社メディカルリソース ファルマスタッフ
2000年9月 株式会社メディカル・コンシェルジュ MC-ファーマネット
2004年 株式会社ファル・メイト ファル・メイト
2006年 株式会社ハイペリオン ファーマプレミアム
2009年 エムスリーキャリア株式会社 薬キャリ
2013年 シナジーファルマ株式会社 ファーマシスタ求人
2014年(創業) スプリングフィールド株式会社 ヤクマッチ薬剤師
2015年創業/2018年設立 エニーキャリア株式会社 ファーマキャリア
2019年 アイリード株式会社 ファーマリード
2020年 アポプラスキャリア株式会社 アポプラス薬剤師
2021年 株式会社MCS キャディカル 薬剤師.転職
2026年4月 株式会社RMキャリア ジョブメドレーエージェント 薬剤師

いちばん古い1973年と、いちばん新しい2026年4月で53年の開きがあります。

2026年4月設立のRMキャリアは、確認日のわずか4か月半前です。 ただしこれは「新しいサービス」という意味ではありません。 同社が運営するのは旧リクナビ薬剤師で、名称変更にともなって会社が変わった経緯とみられます。 ただしその経緯は公式サイトに書かれていないので、台帳には推測を書いていません。 書いてあるのは「旧リクナビ薬剤師から名称が変わった」ことと、設立日だけです。

資本金を書いていた11社は、 最小1,500万円(ファーマリード)から最大21億210万円(マイナビ薬剤師)まで約140倍でした。 従業員数を出していたのは5社で、 ファル・メイト2,296人(2025年3月時点)、 薬キャリ1,100人(2026年4月末時点)、 MC-ファーマネット420名、 ファルマスタッフ348名(2024年4月1日現在)、 アポプラス薬剤師169名(2026年6月現在)です。 5社の中でも13.6倍の開きがあります。

規模が大きいほど良いという話ではありません。 規模が違う会社を同じ表で比べているという自覚が要るという話です。 求人数の24倍も、会社の規模の違いをそのまま映している可能性があります。

調剤薬局・ドラッグストアのグループ会社が運営しているのは4社

運営会社を読んでいて分かったのが、薬局を運営している会社のグループがサービスを運営しているケースです。 公式サイトにグループ名が明記されているものだけを数えました。

サービス 運営会社と、公式に書かれているグループ
お仕事ラボ 株式会社AXIS(株式会社アイセイ薬局の100%子会社)
ファルマスタッフ 株式会社メディカルリソース(日本調剤グループ)
キャディカル 薬剤師.転職 株式会社MCS(スギ薬局グループ)
ファーマリード アイリード株式会社(2021年1月から自社薬局アイリード薬局も運営)

4社です。 このうちファルマスタッフは 「調剤薬局が母体の人材派遣・紹介会社」と自ら書き、 グループ企業の日本調剤の教育ノウハウを活かした教育サービス(JPラーニング等)を用意していると説明しています。 母体を隠していません。

薬局グループが運営していることは、良いことでも悪いことでもありません。 教育や現場の情報という面では強みになりますし、 一方で紹介先にグループ企業が含まれる可能性もあります。 どちらになるかは公式サイトに書かれていないので、台帳では事実だけを記録しました。 気になるなら、面談で「グループ内の薬局も紹介の対象に入りますか」と聞けば済みます。

薬局以外のグループでは、薬キャリがエムスリーグループ、 アプロ・ドットコムがIQVIAグループ、 ジョブメドレーエージェント 薬剤師ジョブメドレー(薬剤師)がメドレーグループです。

第三者の認定を掲げているのは3社。5つ並べているのは1社

自社で名乗る「業界最多級」といった表現と、第三者が出す認定は性質が違います。 公式サイトに認定を掲載していたのは3社でした。

会社 掲載している認定
ファルマスタッフ 職業紹介優良事業者/医療分野における適正な有料職業紹介事業者/優良派遣事業者/健康経営優良法人2024(大規模法人部門)/プライバシーマーク の5つ
ヤクジョブ プライバシーマーク(No.10860336)
ジョブメドレーエージェント 薬剤師 プライバシーマークを取得と記載

5つ並べていたのはファルマスタッフだけです。 うち優良派遣事業者は厚生労働省の委託事業による認定なので、 派遣を検討している人には確認しやすい材料になります。

残る15社は認定の掲載を確認できませんでした。 認定がないという意味ではなく、公式サイトで確認できなかったという意味です。

この台帳が順位を付けない理由

ここまで数えて、順位を付けられる項目が1つもなかったというのが結論です。

順位を付けないことが、この台帳の中立性の根拠です。 代わりにできるのは、条件で絞った一覧を用意することです。

もう1つ、比較記事を読むときに効く確認があります。 その会社が今も動いているかです。台帳を作る過程で、 すでにサービスを終了しているのに第三者の比較記事では現役として紹介されている会社が2件見つかりました。 詳しくは台帳に載せなかった8件に書いています。

派遣で働くことを考えている場合は、 薬剤師の派遣を扱うのは14社、派遣の許可番号があるのは10社と、 派遣時給の目安を公式サイトに書いている会社は0社だったも合わせて読んでください。


この記事の数字はすべて2026年8月19日に各社の公式サイトを直接読んで記録したものです。 当サイトの評価やランキングではありません。 1社ごとの記録はサービス台帳にあります。