薬剤師の求人数は「公開求人」「掲載求人」「該当件数」と呼び名が違う。ラベルに薬剤師と書いているのは13社中5社
薬剤師の転職・派遣サービス18社の公式サイトを2026年8月19日に読み、 **求人数の数字そのものではなく、その数字の「数え方」**を記録しました。
件数が何件かはサービス台帳18社の公開求人数は4,890件〜118,695件に書きました。 この記事はその続きで、同じ「求人数」という言葉の中身が社ごとに違うという話です。
数えて分かったのは3つです。 数字の置き場所が2通りあること、呼び名が少なくとも4系統あること、 そして**「薬剤師」とラベルに書いている会社が13社中5社しかない**ことでした。
求人数を数字で出しているのは14社。うち総数は13社、内訳だけが1社
まず母集団を確定させます。18社の記載はこう分かれました。
| 社数 | |
|---|---|
| 総数を数字で出している | 13社 |
| 業種別の内訳だけで、総数がない | 1社(ジョブメドレーエージェント 薬剤師) |
| 件数の表示が見当たらない | 4社 |
| 合計 | 18社 |
台帳の公開求人数を出している会社の一覧は14社と表示されます。 これは総数13社に、内訳だけを出している1社を足した数です。 一覧は「件数の記載があるか」で機械的に分けており、 総数か内訳かまでは区別していません。この記事では13社と14社を使い分けます。
件数の表示が見当たらなかった4社は、 ファル・メイト、 MC-ファーマネット、 ファーマプレミアム、 ファーマシスタ求人です。
このうちファル・メイトは、トップに「厳選求人掲載中」とだけ書いて件数を出していません。 件数を出さないことは欠点ではありません。 後で見るとおり、件数を出している会社でもその数字が何を数えたものかは書かれていないことが多く、 出さないほうが正確という考え方も成り立ちます。
その数字がサイトのどこに出ているか。トップ8社・求人検索5社
同じ「求人数」でも、置いてある場所が違います。 場所が違うと、その数字が絞り込み前か絞り込み後かが変わります。
| 数字の置き場所 | 社数 | 会社 |
|---|---|---|
| トップページの表示 | 8社 | お仕事ラボ/ヤクジョブ/アポプラス薬剤師/薬キャリ/マイナビ薬剤師/ファーマキャリア/セルワーク 薬剤師求人/ヤクマッチ薬剤師 |
| 求人検索の該当件数 | 5社 | ファーマリード/アプロ・ドットコム/セルワーク 薬剤師求人/ジョブメドレー(薬剤師)/キャディカル 薬剤師.転職 |
セルワーク 薬剤師求人は両方に出しており、しかも数字が違います。 トップの見出しは「薬剤師求人10万件以上」、求人検索の該当件数は「86,401件」(2026年08月19日更新)です。 どちらも公式の表記なので、台帳には両方を書いてあります。
8社+5社からセルワークの重複1社を引くと12社、残る1社がファルマスタッフです。 同社の「現在 公開求人数 52,107件」は、 台帳にページ内のどこに置かれているかの記録がありません。ここは確かめきれていない部分です。
求人検索の該当件数は、検索条件によって動きます。 アポプラス薬剤師では、トップの「本日の求人件数 54,435件」とは別に、 求人検索ボタンに「検索する1,029件」という数字も出ていました。 台帳のこの会社のnoteには「母数が異なる」と書いてあります。 同じサイトの中に、約53倍違う2つの件数が並んでいるわけです。
呼び名は「公開求人」3社・「掲載求人」2社・「該当件数」3社・その他5社
総数を出している13社が、その数字に付けている言葉を並べます。
| 呼び名 | 社数 | 公式サイトの表記 |
|---|---|---|
| 「公開」を使う | 3社 | お仕事ラボ「公開求人 12,452件」/ファルマスタッフ「現在 公開求人数 52,107件」/マイナビ薬剤師「公開中の薬剤師求人数 57,359件」 |
| 「掲載」を使う | 2社 | ファーマキャリア「掲載求人数36,310件以上」/ヤクマッチ薬剤師「58,238件掲載」 |
| 「該当」を使う | 3社 | アプロ・ドットコム「条件に該当する薬剤師求人数 21,910件」/ジョブメドレー(薬剤師)「薬剤師の該当件数 34,994件」/キャディカル 薬剤師.転職「該当件数 7,758件」 |
| それ以外 | 5社 | ヤクジョブ「現在の薬剤師求人52,206件」/アポプラス薬剤師「毎日更新 本日の求人件数 54,435件」/薬キャリ「求人数118,695件」/ファーマリード「全4,890件」/セルワーク 薬剤師求人「薬剤師求人10万件以上」 |
3+2+3+5で13社です。
「公開」と「掲載」と「該当」は、同じものを指しているとは限りません。 「公開」は非公開求人が別にあることを前提にした言い方、 「掲載」はサイトに載っている枠の数、 「該当」は検索条件に合った数です。 どれも公式の表記であって、どの会社も自社の言葉の定義を書いていません。
非公開求人については、アポプラス薬剤師が 「全体の80%以上がWEB公開していない求人」と明記しています。 この1社に限れば、公開されている54,435件が全体ではないことがはっきりします。 非公開の扱いは薬剤師の転職で失敗しないために、登録前に確認できる8項目に詳しく書きました。
ラベルに「薬剤師」と書いているのは13社中5社
ここがこの記事でいちばん確かめたかった点です。 その数字は薬剤師の求人だけを数えたものか。 13社のうち、数字のラベルに「薬剤師」と入っているのは5社でした。
| ラベルに薬剤師が入る | 5社 |
|---|---|
| ヤクジョブ | 「現在の薬剤師求人52,206件」 |
| マイナビ薬剤師 | 「公開中の薬剤師求人数 57,359件」 |
| アプロ・ドットコム | 「条件に該当する薬剤師求人数 21,910件」 |
| セルワーク 薬剤師求人 | 「薬剤師求人10万件以上」 |
| ジョブメドレー(薬剤師) | 「薬剤師の該当件数 34,994件」 |
残る8社は「求人数」「求人件数」「該当件数」とだけ書いてあり、 その数字が薬剤師求人だけを数えたものかどうかは、ラベルからは分かりません。
薬剤師専門のサイトなのだから薬剤師求人に決まっている、と考えるのが自然です。 実際そのとおりである可能性は高いと思います。 ただし台帳は「書いてあることだけ」を記録する方針なので、 書いていないものは「書いていない」と数えました。 次の2つの例が、この確認が空振りでない理由です。
全職種547,778件と薬剤師34,994件が、同じサイトに並んでいる
ジョブメドレー(薬剤師)のサイト説明文には、 「全国547778件の事業所の正社員、アルバイト・パート募集情報を掲載しています(2026年8月19日現在)」とあります。
この547,778件は医療・介護・福祉の全職種を合わせた事業所の数で、薬剤師求人の件数ではありません。 同じサイトの薬剤師の該当件数は34,994件です。
547,778 ÷ 34,994 で約15.7倍。 桁がひとつ違う2つの数字が、同じサイトの中に並んでいます。
しかもこの547,778件のほうにだけ「2026年8月19日現在」という日付が付いており、 34,994件には時点の表示がありません。 台帳を作る途中で、この日付を薬剤師求人の件数に付いた日付として一度読み違えました。 数字の日付を確認するときは、その日付がどの数字に付いているかまで見る必要があります。
求人数の時点表示については、 13社中7社しか時点を書いていないことを別記事に書いています。
薬剤師以外の職種を同じ検索窓に入れている3社
職種・業態の欄に、薬剤師以外の職種名を挙げている会社が3社ありました。
| 会社 | 職種欄にある薬剤師以外の職種 |
|---|---|
| セルワーク 薬剤師求人 | 医薬品販売/OTC販売/登録販売者/調剤事務 |
| MC-ファーマネット | MR/CRC/CRA |
| マイナビ薬剤師 | メディカルライター・MSL・DI/品質管理・品質保証・PV・薬事/営業(MR・MS)/CRA/CRC |
このうちMC-ファーマネットとマイナビ薬剤師が挙げているのは MR・CRC・CRAなど、薬剤師が就くことのある職種です。
一方セルワーク 薬剤師求人の職種一覧には、 登録販売者・調剤事務・医薬品販売という、薬剤師免許を前提としない区分が入っています。 同社のトップ見出しは「薬剤師求人10万件以上」で、ラベルには薬剤師と書いてあります。 その10万件に登録販売者や調剤事務の求人が含まれるかどうかは、公式サイトに書かれていません。
これは同社を疑う話ではなく、 「薬剤師求人◯件」というラベルだけでは母数が確定しないという例です。
内訳を出している2社。合計は118,697件と26,261件
数字の中身が分かるのは、内訳を公開している2社だけでした。
| 会社 | 内訳の合計 | 内訳 |
|---|---|---|
| 薬キャリ | 118,697件 | 調剤薬局93,709/病院6,751/ドラッグストア(調剤併設)15,836/ドラッグストア(OTCのみ)1,698/企業582/その他121 |
| ジョブメドレーエージェント 薬剤師 | 26,261件 | 調剤薬局15,265/ドラッグストア(調剤併設)9,288/ドラッグストア(OTCのみ)921/病院561/企業193/漢方薬局25/クリニック8 |
どちらの合計も、公式サイトには表示されていません。 台帳の数字を足して出したものです(2回計算して一致を確認しました)。
薬キャリはトップに「求人数118,695件」と出しており、 施設形態別の内訳の合計118,697件とは2件違います。 同社は雇用形態別の内訳も出しており、そちらの合計は118,698件です。 同じ日・同じサイトで3つの数字が並ぶ件は転職サイト18社の記事に書きました。
ジョブメドレーエージェント 薬剤師のほうは、 内訳しか出していないので総数の表示がありません。 26,261件はこちらで足した数であって、同社が名乗っている数字ではありません。
内訳が読めると、施設ごとの偏りも分かります。 病院の求人を扱うのは17社、企業は12社に、この2社の内訳から出した比率をまとめました。
「以上」が付いている2社は、上限が分からない
件数に「以上」が付いているのは2社でした。
- ファーマキャリア「掲載求人数36,310件以上」(08/19更新)
- セルワーク 薬剤師求人「薬剤師求人10万件以上」
「以上」が付いていると、その数字は下限であって実数ではありません。 セルワークの場合は同じサイトに86,401件という実数もあるので、 「10万件以上」と「86,401件」のどちらを見るかで印象が変わります。
なおファーマプレミアムにも「時給3,500円以上」という表記がありますが、 これは求人件数ではなく時給の条件に付いた「以上」です。 数を数えるときにこの2つを混ぜないよう、台帳では別々に記録しています。 時給の表記については派遣時給の目安を書いている会社は0社だったに書きました。
数字の鮮度も揃っていない。ヤクマッチの更新日は確認日の12日前
ヤクマッチ薬剤師は「58,238件掲載」に 「※更新日 2026年08月07日」と併記しています。 確認日の2026年8月19日から見ると12日前の数字です。
日付を書いていること自体は、書いていない会社より情報が多いということです。 アポプラス薬剤師は「毎日更新」と頻度を書いていますが、 何月何日時点かは書いていません。 更新頻度の記載と、時点の記載は別のものです。
求人数を読むときの4つの確認
ここまでを、そのまま確認手順にします。
- その数字はどこに出ているか。 トップの表示なら絞り込み前、検索結果なら条件付きです
- ラベルに「薬剤師」と書いてあるか。 13社中5社だけです
- 「以上」「約」が付いていないか。 付いていれば実数ではありません
- いつ時点か。 総数を出す13社のうち時点を書いているのは7社です(詳しくはこちら)
そのうえで、求人数で会社を比べないことをおすすめします。 数え方が公開されていない以上、24倍の差が実力の差なのか数え方の差なのかは判定できません。 当サイトが順位を付けないのは、この理由です。
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この記事の数字はすべて2026年8月19日に各社の公式サイトを直接読んで記録したものです。 当サイトの評価やランキングではありません。 1社ごとの記録はサービス台帳18社にあります。