「非公開求人がある」と書いている薬剤師サービスは18社中7社。件数は0社、比率は1社。登録フォームの入口を確認できたのは15社で、7社は全部その中にいる

「非公開求人があります」は、薬剤師の転職サイトでよく見る文句です。 登録フォームを埋める理由そのものでもあります。

そこで18社の公式サイトを2026年8月20日に1社ずつ読み、 非公開求人について何と書いてあるかだけを抜き出しました。

結果はこうです。

そのうえで、「登録しないとどこまで探せないのか」も同じ18社で数えました。

この記事の数え方(先に定義を書きます)

定義: 「登録・会員登録をしないと見られない求人がある」という趣旨を 公式サイトに書いている会社を数える。 「非公開」という語の有無では数えない(「WEB公開していない」「未公開案件」も同じ意味として数える)。 求人ではなく機能やメールが登録者向けになっているものは数えない。

社数
登録しないと見られない求人があると書いている 7社
書いていない 11社

7+11で18社です。

語だけで数えると間違えます。 「非公開」という語で当たるのは6社しかありません。 アポプラス薬剤師は「WEB公開していない求人」「登録者限定求人」という書き方で、 「非公開」という語を使っていないからです。この1社を足して7社になります。

逆に、足してはいけないものもあります。 ジョブメドレー(薬剤師)は「会員限定」という語を使いますが、 限定されているのは求人ではなく履歴書・職務経歴書の作成機能です。 「限定」で機械的に拾うと、この1社を余分に数えて8社になります。

7社の書き方を、公式サイトの表記のまま並べる

会社 公式サイトの書き方 何が非公開か
アポプラス薬剤師 「全体の80%以上がWEB公開していない求人」。登録者限定求人を前面に出す 求人(比率あり)
ヤクジョブ 会員のみに案内する「非公開求人」があると明記 求人
ファル・メイト 流れの第2工程が「ヒアリング・求人紹介(非公開求人を含む)」 求人
ジョブメドレーエージェント 薬剤師 一般には公開されていない求人(非公開求人)」も紹介する 求人
セルワーク 薬剤師求人 「未公開案件多数!」「サイトには掲載していない好条件の非公開求人多数 求人
キャディカル 薬剤師.転職 非公開の派遣求人も多数保有」 派遣求人だけ
ファーマプレミアム 会員登録すると非公開の勤務先名称を開示 勤務先の名称

7社のうち、素直に「求人そのものが見られない」と読めるのは5社です。 残り2社は指しているものが違います。

いちばん注意が要る1社。非公開なのは求人ではなく勤務先の名前

ファーマプレミアムの「非公開」は、求人が隠れているのではありません。 求人は見えていて、どの薬局・どの病院の求人かという勤務先の名称が伏せてあります。 会員登録すると、その名称が開示されます。

しかも同社は開示の手段まで限定していて、 「※名称公開及び情報提供はメールにて行います」と書いています。 登録した画面上ですぐ見えるようになるとは書いていません。

もう1社、キャディカル 薬剤師.転職の非公開求人は 「非公開の派遣求人」で、正社員やパートの非公開求人については書かれていません。

「非公開求人あり」を7社まとめて同じ意味に読むと、この2社で外します。

件数を出した会社は0社。比率を出したのは1社だけ

ここが数えていていちばんはっきりした点です。

社数
非公開求人の件数を数字で出している 0社
非公開求人の比率を数字で出している 1社
「多数」「豊富」など数字でない表現 6社

0+1+6で7社です。

比率を出した1社がアポプラス薬剤師で、 「全体の80%以上がWEB公開していない求人」と書いています。

一方で、公開求人数のほうは18社中13社が総数を数字で出しています (最小4,890件から最大118,695件。求人数の記事)。

公開している側の数字は出るのに、公開していない側の数字は1つも出ません。 これは各社の不備というより、数えられるものと数えられないものの違いだと思います。 検索結果の件数は画面に出せますが、非公開求人は定義上そこに出てきません。

ただし、そうであるほど「非公開求人が多い」は比較の材料になりません。 全社が「多数」としか書かないので、社どうしで多い少ないを比べる手掛かりがありません。

唯一の比率を、そのまま割り算してみる

アポプラス薬剤師は求人数を54,435件と表示しています (トップの「毎日更新 本日の求人件数」。台帳には2026年8月19日時点の表示として記録しています)。 これが「全体の20%未満」なら、全体は27万件を超えることになります。

この27万件という数字は、当サイトが2つの表示を割り算しただけのものです。 公式サイトに書かれている数字ではありません。 同社がそう主張しているわけではないので、値としては採りません。 ここに書いたのは、「80%以上が非公開」という表現がどれくらい大きな話をしているかを 示すためだけです。 18社で最大の公開求人数は薬キャリの118,695件なので、27万件はその2倍以上にあたります。

「登録しないと見られない」ものは、求人だけとは限らない

非公開求人があると書いていない11社にも、登録すると増えるものはあります。 ただし、それは求人ではありません。

何が登録者向けになっているか 会社
機能(メッセージ・スカウト・応募管理・履歴書作成・検索条件の保存) ジョブメドレー(薬剤師)
新着求人のメール 薬キャリジョブメドレー(薬剤師)
単発求人のメール配信(週1回、「単発求人プレミアクラブ」) アプロ・ドットコム

薬キャリは会員になるメリットの2番目に 「希望にぴったりな新着求人メールが届く」を挙げています。 求人が見られるようになるとは書いていません。

「登録すると求人が見られる」と「登録すると求人が届く」は別の話です。 前者は今すぐ見たいものが増える話、後者は後で通知が来る話です。 同じ「登録するメリット」の欄に並んでいても、得られるものが違います。

逆に、メール配信の案内自体が公式サイトに見当たらないのは3社 (ファーマリードセルワーク 薬剤師求人ファーマシスタ求人)でした(連絡手段の記事)。

求人数のラベルに「公開」と書いている会社が4社ある

もう1つ、数え直して気づいたことがあります。

トップに出す求人数のラベル自体に「公開」と書き添えている会社が4社あります。

会社 ラベル 件数 非公開求人があるとも書いているか
ファルマスタッフ 「現在 公開求人数 52,107件 書いていない
マイナビ薬剤師 公開中の薬剤師求人数」 57,359件 書いていない
お仕事ラボ 公開求人 12,452件 書いていない
ジョブメドレーエージェント 薬剤師 公開求人の業種別内訳」 内訳のみ 書いている

「公開求人」というラベルは、公開していない求人の存在を前提にした言い方です。 ところが4社のうち3社は、非公開求人があるとはどこにも書いていません。 ラベルだけがそれをほのめかしている形です。

当サイトはラベルから非公開求人の存在を推測しません。 上の7社は「あると書いてある」会社で、この3社は「書いていない」会社です。 数えたのは表現であって、実態ではありません。

登録しなくても、18社とも求人検索は開けた

「非公開求人がある」の裏返しは「登録しないと見られない求人がある」です。 では、登録しないと何も見られないのかというと、そうではありません。

当サイトは1社も登録せずに、18社すべての求人検索画面を開いて選択肢を書き写しました。 台帳の絞り込み条件・雇用形態・施設区分の記録は、すべてその状態で取ったものです。 18社中18社で、会員登録なしに検索の入口まで到達できています。

ただし、そこで選べる幅は同じではありません。

会社 検索で選べるもの
いちばん狭い MC-ファーマネット 都道府県のプルダウン1つだけ。雇用形態・施設・給与・こだわり条件の枠が無い
いちばん広い ファルマスタッフ こだわり条件48項目。しかも「すべてに一致/いずれかに一致」を切り替えられる

同じ「登録前」でも、48項目で絞れる会社と、県を選ぶだけの会社があります (こだわり条件の記事)。

注意すべきは、「検索画面が開ける」と「求人の中身が全部見える」は別だということです。 当サイトが数えたのは検索の選択肢であって、 検索結果に出る1件ごとの求人票をどこまで表示するかは数えていません。

登録フォームの入口を確認できたのは15社。残り3社は事情が3通りに分かれる

定義: 求職者が自分の情報を送る「登録/申込/会員登録」フォームの入口を、 当サイトが公式サイト上で確認できた会社を数える。 問い合わせフォームは含めない(氏名とメールだけを送る窓口は、登録の仕組みとは別に扱う)。

社数
登録フォームの入口を確認できた 15社
確認できなかった 3社

15+3で18社です。

残りの3社は、同じ「無い」ではありません。

会社 状態 公式サイトの書き方
ファーマシスタ求人 仕組みとして無い 求職者の会員登録フォームが存在せず、応募は各求人ページの「採用担当者への問合せボタン」から
MC-ファーマネット 案内はあるが到達できず よくある質問は「まずは当サイトにてオンライン登録して頂きます」と書いている
ヤクマッチ薬剤師 案内はあるが到達できず よくある質問は「携帯やスマートフォンからでも登録が可能です」と書いている

1社+2社で3社です。

下の2社について「登録フォームが無い」とは書けません。 公式サイトが登録の仕組みはあると書いているのに、 当サイトがその入口に辿り着けなかったというだけです。 これは各社の不備ではなく、当サイト側の取得の限界です。

この2社で確認できたのは問い合わせフォームのほうで、 ヤクマッチ薬剤師のそれは お名前・メールアドレス・お問い合わせ内容・同意の4欄しかなく、 電話番号すら聞きません(登録フォームの項目の記事)。

「人が間に入らない」と自分から書いているのは2社

登録して担当者が付くことを前提にしない会社も、台帳の中にあります。

会社
ジョブメドレー(薬剤師) 直接応募型。会員登録はあるが、応募先とのやりとりはサイト上のメッセージで直接行う
ファーマシスタ求人 求人広告型。連絡の相手は採用担当者本人

18社中2社です(サポートの流れの記事)。

ファーマシスタ求人は、よくある質問で 「人事担当者と仕事を探す薬剤師さんが直接繋がる場所を提供しています。 転職コンサルタントが間に入らないため、生の情報をスピーディに収集する事ができます」と 書いています。間に入らないことを、自分の売りとして書いているわけです。

この2社は、非公開求人があるとはどちらも書いていません。 非公開求人を書く7社とは、まったく重なりません。

ただし「登録フォームがある=人が間に入る」ではありません。 ジョブメドレー(薬剤師)は登録フォームを持っている15社の側にいます。 登録の有無と、仲介の有無は別の軸です。

有料職業紹介の許可番号を出しているのは15社。出していない3社も理由が違う

人が間に入って求人を紹介する事業には、厚生労働大臣の許可が要ります。 その許可番号を公式サイトに載せているのは15社でした。

社数
有料職業紹介事業の許可番号を掲載 15社
掲載が見当たらない 3社

15+3で18社です。労働者派遣事業の許可番号のほうは10社です (派遣の記事)。

掲載が見当たらない3社も、中身は3通りです。

会社 当サイトが確認した状態
ファーマシスタ求人 求人広告事業なので許可が要らないと自分で書いている
ジョブメドレー(薬剤師) 薬剤師ページ上に見当たらず、会社概要ページが404で取得できなかった
ファーマプレミアム 会社概要のページはあるのに、番号の記載が見当たらない

ジョブメドレー(薬剤師)は「無い」ではありません。 置き場所が変わったのか、そもそも無いのかを、当サイトは確かめられていません。

登録フォームが無い3社と、許可番号が無い3社の重なりは1社だけ

数えていていちばん意外だったのがここです。 上の2つの3社は、顔ぶれがほとんど違います。

会社
登録フォームの入口を確認できない3社 ファーマシスタ求人/MC-ファーマネット/ヤクマッチ薬剤師
許可番号が見当たらない3社 ファーマシスタ求人/ジョブメドレー(薬剤師)/ファーマプレミアム
両方に入る ファーマシスタ求人の1社だけ

「登録フォームが見当たらない会社は、紹介事業をやっていない会社だろう」は成り立ちません。 MC-ファーマネットもヤクマッチ薬剤師も、許可番号は公式サイトに出しています。

非公開求人があると書く7社は、7社とも登録フォームを持っている

上の15社と、非公開求人がある7社を突き合わせました。

社数
登録フォームがあり、非公開求人があるとも書いている 7社
登録フォームはあるが、非公開求人には触れていない 8社
登録フォームの入口を確認できない 3社

7+8+3で18社です。7+8で15社にもなります。

非公開求人があると書いている7社は、7社とも登録フォームを持っている側にいます。 逆向きは成り立ちません。登録フォームがあっても、8社は非公開求人に触れていません。

触れていない8社は お仕事ラボファルマスタッフファーマリード薬キャリマイナビ薬剤師ファーマキャリアアプロ・ドットコムジョブメドレー(薬剤師)です。

このうちファルマスタッフマイナビ薬剤師お仕事ラボの3社は、 求人数のラベルには「公開求人」と書いているのに、 非公開求人については何も書いていない会社です(1つ上の節の表)。

登録したあとに何が起きるかは、非公開求人ほど書かれていない

非公開求人は登録の理由として書かれます。 では、登録したあとに何が起きるかはどれくらい書かれているのか。台帳で並べます。

登録後のこと 書いている社数
非公開求人がある 7社
サポートの流れ(工程)を公開している 11社(流れの記事)
入社後のフォローに触れている 11社(サポートの中身の記事)
条件交渉の代行に触れている 9社(同上)
電話番号を出している 11社(連絡手段の記事)
受付時間を出している 9社(同上)
面接同行に触れている 6社(同上)
応募書類の添削に触れている 5社(同上)
連絡の頻度に答えている 1社(同上)

「登録すると非公開求人が見られる」は7社が書くのに、 「登録するとどれくらいの頻度で連絡が来るか」は1社しか書きません。

登録をためらう理由でいちばんよく挙がるのは連絡の多さですが、 そこに答えている会社は18社中1社です。 一方で、登録する理由のほうは7社が書いています。 書かれている量が、この2つでははっきり非対称です。

これは「連絡がしつこい」という意味ではありません。 当サイトが数えたのは公式サイトに書いてあるかどうかだけで、 実際にどれくらい連絡が来るかは測っていません。

非公開求人という言葉を読むときの4つの確認

  1. 何が非公開なのかを読む。 求人そのものが5社、勤務先の名称だけが1社、派遣求人だけが1社です
  2. 数字が付いているかを見る。 件数を出した会社は0社、比率は1社(80%以上)だけで、 残り6社は「多数」としか書いていません。比べる材料になりません
  3. 登録して増えるのが求人か、機能か、メールかを分ける。 登録者限定なのが求人ではなく機能・メールの会社もあります
  4. 「公開求人数」というラベルを、非公開求人がある証拠として読まない。 ラベルを使う4社のうち3社は、非公開求人については何も書いていません
  5. 登録しないと何も見られないと思わない。 求人検索は18社とも登録なしで開けました。 ただし選べる幅は、県のプルダウン1つから48項目までの開きがあります
  6. 「無い」と「確かめられなかった」を分けて読む。 当サイトが登録フォームに辿り着けなかった2社は、 公式サイト側は登録できると書いています。無いのではなく、当サイトが取れなかっただけです

非公開求人があると書いていない11社に、非公開求人が無いという意味ではありません。 当サイトが確かめたのは「公式サイトにそう書いてある」ことだけです。 順位は付けません。

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